妊娠中の恥骨痛:第一子を帝王切開した原因への不安

幹整体院の山下です。
今回は、妊娠中の恥骨痛で悩まれている方の相談でのお悩みでした。
妊婦さんが、恥骨と腰の痛みで来院

実は、いま7ヶ月目で、恥骨と腰が痛くて…
不安になったので来ました

妊娠中は、薬にも頼れないので大変ですよね、
どのような症状でお困りですか?
不安でもいいですよ、分かる範囲で教えてください。
妊娠7か月目の症状、過去の「恥骨結合離開」の経験での不安
20代女性。お二人目を妊娠中に来院されました。
妊娠七ヶ月目、症状は恥骨と腰の痛みで一ヶ月ほど前から出ていたようです。

一人目の時に、病院では「恥骨結合離開」の診断されたんですが、
薬も対処も特になかったんです。
お話を聞く中で、お一人目のお子さんの妊娠中、出産が近づくに連れ恥骨に痛みが出始め、病院では「恥骨結合離開」の診断を受けていたことがわかりました。
その後、特に対処方法は伝えられず、妊娠中ということで、痛みへの対処も薬を使えないためそのままであったそうです。
経過観察していましたが、出産予定日の10日前からどんどん痛みが悪化し日常生活もままならなくなってしまったため、やむなく帝王切開で出産することになってしまったという経験をされていました。
2人目の恥骨痛、前回よりも早い痛みに不安
今回はお二人目の妊娠7ヶ月目になりますが、1ヶ月ほど前から恥骨の痛みが出始め、寝返りや起き上がり、歩行など生活の中の動きのほとんどで痛みを感じるようになってしまったそうです。
お一人目の時よりも痛み始めるのが早いため、不安になってしまった。そんな背景があった上での今回の妊娠時の恥骨痛のご相談でした。
妊娠時の治療に対する不安や気をつけること
妊娠中は、お腹のお子さんのことを配慮することで、病院で薬を用いて、炎症や痛みを軽減するといった一般的な治療方法が取れないことがあります。
出産が近づくに連れ、お腹の子は多くなり、ママさんの筋力は低下し、身体への負荷も大きくなります。

そこで抱えた痛みは、薬で抑えることができないため、様子見や我慢で済まされてしまうとより不安になってしまうものです。

当院では、妊娠時の母体の状態を踏まえ、筋肉、骨格にかかる負担をやわらげることで、これらの症状の軽減に取り組んでいます。
今回の患者さんの場合、前回の出産が近づいてきたときの恥骨の痛みが原因で、帝王切開という方法になったことへのストレスもあり、今回の同じような痛みに関して、恥骨痛の不安を大きくしているように感じました。
身体も心も不安を抱えたまま出産に望むことのないように、当院の妊婦さんの施術は身体だけでなくご不安ごとにもしっかり寄り添えればと考え、ご提案しています。
妊娠中の恥骨の痛みの仕組み・原因
妊娠中に産後に起こる恥骨の痛みや腰の痛み(仙腸関節痛といいます)は
妊娠出産によって骨盤の繋ぎ目がゆるんだりズレたりすることによって出る痛みです。
妊娠中のホルモンによって関節がゆるみやすい
妊娠中は関節や靭帯などが緩むホルモン「リラキシン」の働きによって体の繋ぎ目がゆるく動きやすくなります。
この作用は、お腹が大きくなったり分娩のために必要なことなのですが、

このリラキシンの作用で、骨盤に3つある繋ぎ目がズレてしまい、痛みが起こりやすくなっています。
お体をみさせていただくと、体の使い方の癖からくる歪みがありました。
妊婦さんの場合、妊娠中の運動不足で筋力の低下、筋肉じん帯の柔軟性低下で、ただでさえ歪みを抱えやすい状態です。

おそらくリラキシンの影響で関節が緩んだことで、
日常生活の動きで、恥骨、仙腸関節への大きく負荷がかかって、症状が出ているものと思われます。
具体的に
- 骨盤、肋骨、肩甲骨のアライメントの崩れ
- 骨盤、股関節周辺の筋緊張のアンバランス
などがありました。
特に恥骨の痛みの原因は股関節周辺の左右の筋肉のバランスが崩れることで起こりやすいです。
妊娠時はホルモンの関係で、骨、関節が緩みやすい分、筋肉が身体を支える割合も大きくなります。
筋肉のバランスが崩れた状態を柔軟性を失った筋肉で支えるために、身体の痛みとなって出てきやすくなるわけです。
妊娠時の恥骨痛(仙腸関節痛)の施術
妊娠7ヶ月ということで出産まであと三ヶ月。もちろんホルモンによる緩みは出産するまで収まりません。
ですので、原因自体を改善するのでなく負担のかかる筋肉を緩め、支える筋肉をきちんと使えるよう体のバランスを整えることで症状を抑え、妊娠時の身体の負荷に耐えられる状態に持ってゆくマタニティ施術を行います。
今回は、週に2回から通院を始めました。
- 股関節のアライメントの調整
- 肩甲骨、肋骨の左右のバランスを調整
- 緊張している筋肉を緩める
- 使えていない筋肉に力をいれる
などを行って、左右の筋肉の緊張のアンバランスを整えました。

当院のマタニティ整体は、お腹への圧力をかけないよう、横向きなどの施術が多くなりますが、しっかりと股関節や背中などのケアを行うことで腰回りの調整が可能です。
マタニティ整体を継続した施術結果
まずは、初回の結果。
感じる痛みは残っているようですが強い恥骨痛は改善したようです。
動作チェック時の立ち上がり動作や歩行での痛みは軽くなったという実感をいただきました。
続けていただき、2週間後。
ふとした時に鈍い痛みは感じるものの、立ち上がり動作や歩行での痛みは殆ど感じないまで改善。
その後、大きくなるおなかと同時に背中の圧迫感、張りなどの変化にも対応しながら2か月、通える範囲で通っていただき、日常生活を妨げられるほどの痛みがないことから、一人目の時に比べるとすごく楽という実感を持って、出産となりました。
最終的には普通分娩で出産することができ、出産のご報告を受け取った時はとても嬉しかったです。
妊娠時の恥骨痛、マタニティ整体のまとめ
恥骨痛や仙腸関節痛は妊娠中や産後に割とよくみられる症状です。
妊娠出産時に出てくる関節を柔らかくするホルモンの影響で仙腸関節、恥骨への負荷がかかるために起こりやすい症状です。
痛みが続くことが多く「治らないのでは?」と不安になる方も見えます。
特に妊娠中は、
- 薬を使うことができない。
- 出産をしやすくするために必要な身体の機能。
と捉えられ、対処されないということも多い症状です。

当院のマタニティ整体はお腹の赤ちゃんへの負担を考えた施術で、しっかりした対処をすれば妊娠中も痛みを和らげることができ、産後に治癒することも可能です。
今回は、恥骨痛のために帝王切開になってしまったという不安もあっただけに、妊婦さんのストレスは体も心も大きかったように思います。
当院では、多くの妊婦さん、産後ママの施術経験から、体や心もケアを心がけた施術、相談を行っております。
お悩みの方はぜひ一度相談にいらしてくださいね。