8年以上続く、ピリピリ刺すような右手の痺れ(胸郭出口症候群の悪化)

今回は8年間続いた右手の痺れで来院された患者さんの紹介をします。
毎朝でるピリピリ刺すような腕のしびれのご相談

強く痛むことはないですが、朝起きると、いつも腕がピリピリと刺すような痛みとしびれが続いています。
50代女性。8年前から原因なく右手の痺れが出始めたようです。
右手のしびれは、二の腕から手首までのしびれ、ピリピリした痛み、ビリビリした感覚に悩まれていました。

8年ですか、大変ですね、
もう少し詳しくお聞きしてもいいですか?
お身体の状態とこれまでの経緯を聞くと…
右手のしびれは、強い痛みはないものの、日によって程度は違うようですが、これが毎日毎朝。
本人は慣れたと言っていますが、8年はツラく、原因もハッキリしないのであれば不安だったと思います。
通院歴や症状を確認すると、
これまで整形外科を3件受診されていたようです。
そのうち2件は、腱鞘炎と診断。
湿布と痛み止めが処方されたが、根本的な解決にはならずにいました。
3件目の整形で首のレントゲン撮影の結果、骨には異常がないものの、体の歪みが原因と指摘されたそうです。
姿勢も直した方が良いと言われたがなかなか自分では治せないとのこと。
なんとかならないかと当院を受診されました。

8年もの長期間のしびれや痛みはすぐにゼロになるのは難しいですが、できうる限りのことをさせていただきます。
まずはお身体のチェックをお願いします。
とにかく、症状のしびれと身体の状態を【整体分析】で確認してゆきます。
実際の症状を確認してみてわかったこと。
しびれの原因を確認
手のしびれにはいくつかの原因があります。
- 首の神経が圧迫されるケース
- 鎖骨や首、胸まわりの筋肉付近の神経や血管が圧迫されるケース
- 腕や手のどこかで神経が圧迫されるケース
おもに3つです。

この原因をテストなどチェックを行い絞り込んでゆきます。
運動機能チェックから、しびれの原因を推測
まず、いくつかの運動機能テストを行い、しびれの原因がどこにあるかをチェックします。
神経学的検査のジャクソンテスト、スパークリングテストが陽性だったことで神経根症が疑えました。
同じくモーレイテストの結果も陽性、胸郭出口症候群の疑いもあり、このしびれには複数の障害部位がある可能性がありました。

しびれの原因として、首と鎖骨から肩のあたりで神経が圧迫されている可能性が強いことがわかります。
体の歪みを照らし合わせて、身体の歪みがどう影響してるのかを確認します。
さらに歪みに対して身体の状態を見てゆきます。
その結果、気になることとして
- 背中部分の背骨の固さ
- 立ったとき、座ったとき頭が前に出る姿勢
- 肋骨の動きの悪さと広がりにくさ
- 肩甲骨の動きのわるさ
- 反り腰と腰の筋肉の緊張
などが見られました。
腰から上の全身の筋力の衰え、柔軟性のなさが際立っています。

特に肋骨や肩甲骨の動きが悪く可動域もないため、胸郭出口症候群が強く出ているのではないかと判断しました。
しびれの原因を胸郭出口症候群によるしびれということで、施術をご提案します。
まず一番強い、毎朝のしびれからの改善をご提案
この方の場合は寝起きに毎朝必ず症状が出ています。
この毎朝の症状の改善を重点的に行って行きたいと考えました。
お話を聞くと、寝るときは必ず左肩を下にして横向き寝をしているとのことで、試しに院のベッドで右肩を下にしたり、上向に寝てもらうと違和感と寝にくさを感じるとのことでした。
これは
・左むき寝以外の寝方をしにくく、寝返りを自由に打てていない。
・寝やすいはずの左むき寝の状態は、姿勢にもしびれにも良くない状態。
と考えられます。
なので施術は
「左下の横向き寝以外の寝方をしやすくする」を一つの指標としました。
幹整体院のしびれの治療内容
全身キレイ整体の大きな目標
当院の、全身キレイ整体を用いて、チェックの際に見られた固さを改善してゆきます。
- 背中部分の背骨の固さ
- 立ったとき、座ったとき頭が前に出る姿勢
- 肋骨の動きの悪さと広がりにくさ
- 肩甲骨の動きのわるさ
- 反り腰と腰の筋肉の緊張
かなり、ポイントとしては多くなります。

- 筋肉の硬直を緩めるだけでなく、関節が正しく動いて筋肉が働きやすい状態を整体で作ってゆきます。
普段使わない筋肉は柔軟性を失い動かしにくくなります。
その筋肉を緩め【リリース】して、正しく動かせるよう【リビルド、再教育】する整体法です。
今回は初回で、肋骨の動きを改善することで、上向き寝でも違和感なく呼吸が出来ることを確認してもらいました。
部分的だけでなく、背骨、肋骨、肩甲骨、骨盤の動きを良くして、歪みを丁寧に治していきました。
再び歪まないように良い姿勢をお伝えして、体が固まらないように体操をお伝えします。

8年間の胸郭出口症候群ということで、しっかり改善効果が出るのは、先になると思いますが、呼吸の深さと、胸を開く感覚の実感を得られたようで、これから通い改善を目指します。
その後の症状の経緯
朝のしびれの症状は3度目にはだいぶ改善しました。
胸郭出口症候群の施術が功を奏していることに、患者さんもご満足いただけているようでした。
その後、期間を開けつつ、何度か通っていただいていますが、時々しびれが出るときもありますが、おおむね良い状態が維持できています。
今は症状が再発しにくい体の動かし方をお伝えしています。
最後に
しびれの原因は複数考えられますし、その中の一つが原因のこともあれば複数が原因の場合もあります。
今回は原因と思われる病態が複数考えられました。
しかし、全身の歪みを丁寧に治すことで症状は改善していきました。
もし、整形外科や接骨院へ通ってもしびれが解消していないという場合、当院へご相談ください。